“鉄塔”の耐震診断(耐震補強設計)のすすめ

御社の工場等施設の“鉄塔”は大地震、台風、大雪等でも大丈夫ですか?

 

只ここで言う耐震とは地震に対する強さ・安全性だけを言うものではありません。構築物のアスペクト比(幅に対する高さ)が高く、鉄塔の様に自重が軽いものは、地震による横揺れ(縦揺れも含む)よりも、風による揺れ(振動・変形)の方が大きく支配的な事も有ります。これは暴風時のみではなく通常想定される風(地震)でもその傾向はあります。

従ってここで言う耐震とは地震に対してのみではなく、風による揺れ(振動・変形)に対する“耐振”を含み(耐風とも言えますが)、地震・風の両方に対する安全性の検討を言います。それ以外には大雪時の雪荷重に対する安全性の確保等もとても重要な安全要素です(振動ではありませんが)。

 

“鉄塔”と言うと郊外のあまり人が住まない山地や田畑に建つ、高圧送電線を支える高さ60mを超える様なものを連想する方が多いかも知れませんが、小さなものでは街中でよく見掛ける街燈や道路の両側に建つ道路灯、スポーツスタジアムの照明塔・・等も“鉄”で出来ていれば皆“鉄塔”です。

 

鉄は軽くて強い、我々人類にとってとても便利な材料です。しかし“必ず錆びる”と言う欠点も持っています。これはどんなに強固な塗装や保護を施しても、たとえステンレスでも避けられません。知らず知らずのうちに必ず錆びて強度(耐力)が低下して行きます。それを見逃さない様にして下さい。

 

町の商店会の皆さん、色々な道路を管理・運営する自治体の皆さん、スポーツスタジアムを管理・運営する企業の皆さん、今一度身の回りの“鉄塔”が、

地震に対しても、風に対しても、雪に対しても、十分に安全であることを確認しましょう。

 

御社の大事な資産を有効に生かす為にも、弊社がお手伝いさせて頂きます。

 

 

一寸専門的になりますが・・

通信鉄塔の耐震診断(耐震補強設計)について

 

現在通信鉄塔の設計及び耐震診断(耐震補強設計)は、国土交通省大臣官房技術調査課電気通信室監修(一般社団法人:建設電気技術協会及び一般財団法人:日本建築防災協会、編集・発行)の「通信鉄塔設計要領・同解説、通信鉄塔・局舎耐震診断基準(案)・同解説」に依ることになっています。

 それは「・・無線通信網は、災害時の迅速な情報収集・配信等に必要不可欠なものであり・・通信回線の安定した運用を図るには通信鉄塔等の統一的設計が必要・・」(上記基準まえがきより)であるからですが、その背景は「平成7年の阪神淡路大震災を期に・・平成9年「通信鉄塔設計要領」が制定・・その後、平成15年・・平成16年・・改訂版を発行・・」(上記基準まえがきより)、平成19年の改訂時に「通信鉄塔・局舎耐震診断基準(案)解説」が合冊され、更に平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震による被害を受けて、平成25年9月に発行された改訂版が現在に至っています。

 

上記基準は現在考え得る様々な形状の通信鉄塔の設計及び耐震診断(耐震補強設計)に対応していますが、その中でも鉄塔が建物の上に乗った“建物屋上型鉄塔”等は、建築物(下部庁舎)の地震応答の影響を受けるので、設計及び耐震診断(耐震補強設計)には少し注意が必要です。

上記基準にも「・・建物屋上型鉄塔等では、鉄塔自身の減衰定数が小さいため、大きな応答加速度を生ずることがあり・・」等と記され、それを受けて(具体的には)、この型の鉄塔の振動特性係数Rt(地震の揺れが構築物に入力した際その揺れがどの程度減衰(増幅)するかの係数)は、先ず下部庁舎の固有周期と上部鉄塔の固有周期を各々別々に算定し、それらの相関関係から算出する様に定められています。結果として両者(下部庁舎と上部鉄塔)の固有周期が近い程振動特性係数Rtが大きくなる様に設定されていますが、これは「鉄塔自身の減衰定数が小さいため」だけではなく、両者(下部庁舎と上部鉄塔)の“共振作用”(固有周期が近いと“共振”と呼ばれる増幅振動を起こす)による増幅効果の影響も見込んでいるものと思われます。

これらの特性や影響等を十分に理解し、設計及び耐震診断(耐震補強設計)に当たる必要が有ります。

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