総合設計制度の緩和により耐震性不足のマンションが建替え易くなりました

耐震性不足のマンションが建替え易くなりました。

 

昨年(平成26年)2月に「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」の一部が改訂されたことを受けて、東京都はマンションの建替え促進を図るため、新たな許可要綱を策定しました。

 

概要を下記すると、

1)    適用区域について

従来:適用区域を限定 → 緩和策:都内全域に拡大

2)    公開空地の要件について

従来:歩道状空地・広場状空地が必須 → 緩和策:歩道状空地が必須(場状空地はなくても可

従来:公開空地の最低限度は、容積率に応じて10%~30% → 緩和策:最低限度を一律10%に緩和

3)    公開空地以外の容積割増評価の対象について

従来:福祉施設や防災施設等(防災備蓄倉庫等)を評価 → 緩和策:地域貢献施設(津波避難ビル等)整備を追加し、メニューを拡充

4)    隣接地の取り込みについて

従来:共同住宅建替誘導型では、不可 → 緩和策:隣接地を取込むマンション建替えも可

但し、外壁面の後退、割増容積率の最高限度等については総合設計許可要綱と同様(詳細は東京都ホームページ等参照)

となります。

 

この要綱の適用(施行)は平成27年4月1日からですが、この制度を利用するには基本的な条件があります。

それは先ず今お住まいのマンションを耐震診断することです。

そしてその診断結果がNG(耐震改修促進法によるIs値(建物の耐震性を表す数値)が0.6未満等)となった場合、特定行政庁に対し法律による“除去する必要があるマンション”として認定の申請をすることが可能で、それを受けた特定行政庁は、当該申請マンションが“地震に対する安全性に係る建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして国土交通大臣が定める基準に適合していない”と認めるときは、“除去する必要があるマンション”として認定します(これを「要除去認定マンション」と言います)。

こうしたマンションの建替えが上記の如く建替え易くなりました。

 

その他の条件としては、従前の総合設計制度と同様の

5)      当該敷地面積の最低限度

500㎡以上(第一種低層住宅専用地域及び第二種低層住宅専用地域以外の地域の場合)

1,000㎡以上(上記以外の地域の場合)

6)      敷地が接する前面道路の幅員

6m以上(住居系地域及び準工業地域の場合)

8m以上(近隣商業地域、商業地域、工業地域及び準工業地域の場合)

7)      容積率の割増

具体的には総合設計(建替え計画)の種類(型)によって異なりますが、最低でも現行の建築基準法で定められている基準容積率の1.5倍以上(但し上限も有り)

・・等がありますが、

 

もしもこの制度を利用せずに現在の(耐震性不足の)マンションを建替えようとする場合、最大でも同規模のものに制限されますし、仮に竣工時(そのマンションが出来上がった時)から現在までにその地域の日影規制や道路斜線制限等の規制が厳しくなっていれば(当然その法規を遵守する必要が有りますので)、今の規模より小さいものしか建てられません。

しかしこの制度を利用して現在のマンションを建替える場合、容積率の割増等を利用して現在の規模よりも大きく、更に今の時代のニーズに適したマンションにグレードアップして建替えることが可能です。

只これまではこの緩和規定も適用区域が限定されていて、その範囲に該当しなかった・・もしくは公開空地が従前の規定の規模までは確保出来ない・・等の理由で、その他の条件はこの法律を十分満たしているにも関わらず、なかなか具体的な建替え計画等の検討に踏み切れなかったマンションの組合様等も居られたと思います。この法改正はそうした方々にも大きな可能性が生まれたと言って良いと思います。

それには(未だ耐震診断を行っていないマンションは)先ず耐震診断を行って「要除去認定マンション」の認定を受ける事が必須になりますが、将来の資産価値を大きくする為にもこの法改正を一つのチャンスとして捉え、積極的に運用することをお勧めします。

Copyright(c) 2015 耐震診断.jp