非構造部材(天井)の耐震点検
非構造部材(天井)の耐震化及び耐震点検について
■背景
2011年3月11日に発生した東日本大震災において、屋外では津波の被害が報道等で目立っていたが、屋内の被害は津波の届かない地域でも発生し、特に、天井脱落等により、死者5名負傷者72名以上、件数は約2,000にも及びました。
それらを背景にし、国土交通省は「建築物における天井脱落対策試案」を発表し、大規模空間(体育館・劇場・商業施設・工場等)の天井耐震化を促進しています。また、文部科学省においても天井耐震化の進んでいない約7割(2012年9月時点)の小・中学校体育館を対象に対策を進めています。
■天井落下の様子
国土交通省HPより参照
■建築基準の見直し
現状 |
見直し後 |
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新築建築物 |
天井については風圧並びに地震その他の振動及び衝撃によって脱落しないようにしなければならない。【建築基準法施行令第39条】 |
対象:6m以上の高さにある 200m2以上の吊り天井 基準:吊りボルト等を増やす 接合金物の強度を上げる ネットの設置等の落下防止措置 |
既存建物の対応 |
天井の耐震対策の状況の 点検・報告の義務化。 【国土交通省告示第288号】 |
1.防災拠点施設など特に早急に改善すべき建築 物については、改修を行政指導する。 2.定期報告制度等を活用し、状況を把握する。 3.天井脱落対策のための改修費用については、 社会資本整備総合交付金の活用による支援を図る。 |
■天井の耐震点検の費用
一つの施設につき25万~40万程度です。
■耐震化の費用と補助金
天井の耐震化の費用は建物躯体の耐震診断とは違い、改修の扱いとなりますので天井の大きさ・形状・下地・仕様などで異なりますが、
天井面積に対して、2,500円/m2~4,000円/m2程度です。
(※仕上げを既設のまま、下地を補強のみ行う場合)
また、天井の耐震改修の補助額については、
学校施設は費用全体の1/3補助
被災避難所は費用全体の約4割補助となっています。
(参考)学校施設整備に関する防災対策事業一覧
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/10/26/1308045_5.pdf
(参考)国土交通省「建築物における天井脱落対策試案」
平成26年度4月から国土交通省及び文部科学省の方から天井の耐震点検を行うよう各対象建物所有者に通知が送られています。
耐震点検は耐震診断と違い建物の構造計算は行いません。各省から発行されている天井防止対策にのっとり現地調査及び図面の確認を行います。
弊社では、音楽ホールや講堂、屋内プール、体育館など幅広く大規模空間の天井の耐震補強改修に取り組みノウハウを多く蓄えております。また、建物躯体の耐震診断も行っております。またその様な用途の建物で面積が5000㎡以上で旧耐震基準の建物は大規模建築物の耐震診断義務化対象建築物ともなっています。
弊社は徳島、大阪、東京に事務所があり、日本全国の耐震業務に対応可能です。東南海・南海地震の発生が示唆される中、早めの対策が必要かと思われます。無料見積り、無料相談等、気軽にお問い合わせください。