液状化

東日本大震災では沿岸部特に埋立地の液状化が問題になりました。道路のマンホールから泥水が噴出したりや地上の建物や道路などが沈下したり傾いたりする映像が記憶にある方も多いのではないでしょうか。「液状化」について考えてみました。

液状化とは

地震の際に地下水が高い砂質地盤が振動により液体状になり建物が沈下したり傾いたりする現象です。緩い砂質土地盤(粒径0.03~0.5mm N値20以下)で地下水位が浅い(地表から10m以内)土地に震度5以上の地震が加わると液状化が起こりやすくなります。また液状化は建物のみならず地中の水道管や排水管などが浮き上がり断水するなどライフラインへの影響を与えます。

液状化になりやすい場所を古地図やハザードマップで調べる

昔、川や沼であった場所を埋め立てた土地(旧河道等) 東日本大震災時には、液状化被害が集中しました。古地図を見ると古い地名や地形がわかります。地名に「河・川・江・瀬・沢・渓・池・沼」などが入った土地は埋め立てた土地である可能性があり注意が必要です。また国交省の「ハザードマップポータルサイト-重ねるハザードマップ」では盛土地・埋立地などの土地の特徴・成立ちを地図上に表示して確認出来ます。

 Googleマップを使って過去の地形図や空中写真を見る
 http://user.numazu-ct.ac.jp/~tsato/webmap/map/gmap.html?data=history
 国土交通省ハザードマップポータルサイト                                                      
 https://disaportal.gsi.go.jp/

 

状化対策

最善の予防方法は、先のハザードマップや古地図などで液状化の恐れのある敷地に建物を建てないことですが、既にある建物や建替えの場合はどのような対策があるのでしょうか。

液状化の対策として地盤への対策と建物への対策と大きく二通りがあります。地盤への対策は「締め固める(密度を上げる)」「固化する(固化材で固める)」「水を抜く(井戸・砂柱で排水する)」などがあり、建物への対策は「杭で強化する(硬い地盤に到達させる)」があります。

耐震補強工事の中で液状化対策を行う場合、直上に既存建物があるため地盤への対策の「固化する」と「水を抜く」工法が施行できますが、ジャッキなどの特殊な機械の使用と建物に影響を与えないような計測管理や防護措置が必要になることから、一般的に新設時の工事と比較して大幅なコストアップにつながります。

最後に

敷地を購入する際に気にすることはもちろんですが、液状化の恐れのある敷地に建物を計画する際は、予め液状化の対策費用を見込んでおくことをおすすめいたします。